さざなみ読書録

29歳のペーペー社会人が主に本の感想、ごくまれに創作物などを不定期で投稿します。さざなみも立たないような日常。

【音楽】graceの虜

先日、妻と藤井風のライブに行った。

※以下、わずかに藤井風アリーナツアーのネタバレ有り。

 

 

 

 

当日まで指折り数え、と言うほど楽しみにしていたわけではなかったが、実際に生の藤井風を体感したら、そのあまりの「藤井風性」に虜になってしまった。当日の曲を集めて作ったApple Musicのプレイリストはここのところ毎朝の通勤のお供だ。

 

何にに惹かれたか仔細に記すには僕の表現力があまりに乏しいが、頑張って書こうと思う。

まず何より、弾き語り、バンド、パフォーマンスの切り替えとバランスがあまりにも完成されていた。普段藤井風の曲を聴くときにはYaffleの編曲力もあってか、印象はいつも「藤井風」とバックミュージック。ところがその日は藤井風の弾くピアノが、藤井風の声を支えるバンドが、一つ一つの音が確かな主張を持って耳に飛び込んできた。そういえば2021年末の紅白も『燃えよ』が同じ感じだったと今になって思う。

『さよならべいべ』のギターソロ、あんなにもギターのための音楽だったんだね。

 

若く国籍豊かなダンサーたちのパフォーマンスも大変パワフルで、藤井風がそう表現するなら、当然そこにいるべき、そう振る舞うべきと思えるような洗練され尽くしたものだった。

 

そして何よりも終盤の『grace』である。

実は、このライブを迎えるまではあまり好きな曲ではなかった。藤井風のバラードの中でももったりした印象があるし、曲調も全体的に平坦だし、PVの影響か宗教色もうっすら感じるし。

 

否。これらは全て藤井風のgraceを表現するために必要不可欠な要素だ。妻は「ライブ映えする曲だよね」と言っていたが,それ以上のものがあのライブにはあったように感じる。音源の鮮やかさが、ライブ後から一気に増した。

会場入りが遅く残念ながらI am youスウェットを手に入れ損ねたが、I am youってそう言うことかと、当日曲を聴いて初めて分かった。それも知らずに買おうとするなんて無粋だったね……。

 

あなたはわたし。わたしはあなた。

これに気付くことが大事だった。

あたしに会えて本当によかった。